こんにちは。
『ココロおき楽』の脇です。
ココロおき楽では、心理カウンセリングルームも併設しており、その中でよく行われるのが『パニック症の認知行動療法』です。
昔はパニック障害と言われており、今でもその名称で使われることが多いです。
今回は、『パニック症の認知行動療法』についてお話ししたいと思います。
パニック症の診断基準
パニック症とは「ただパニックになる!」ということが問題なのでは有りません。
本人としては、「死ぬかもしれない」と思えるほど、恐怖感や強い不安を感じるので、本当に怖い精神疾患です。
正式な診断基準は以下となっております。
◯繰り返される予期しないパニック発作。パニック発作とは突然、激しい恐怖または強烈な不快感の高まりが数分以内でピークに達し、その時間内に、以下の症状のうち 4 つ(またはそれ以上)が 起こる。
注)突然の高まりは平穏状態。または不安状態から起こりうる。
(1)動悸、心悸亢進、または心泊数の増加
(2)発汗
(3)身震いまたは震え
(4)息切れ感または息苦しさ
(5)窒息感
(6)胸痛または胸部の不快感
(7)瞳気または腹部の不快感
(8)めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ(9)寒気または熱感
(10)異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
(11 )現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分自身から離脱している)(12)抑制力を失うまたは“どうかなってしまう”ことに対する恐怖
DSMーⅤ
(13)死ぬことに対する恐怖
フォーマルな診断基準なので、なかなかイメージしにくいかもしれませんが、パニック症の特徴的な症状としては『予期不安』というものが多くみられます。
『予期不安』とは、「またあの時のアレ(発作)がくるかもしれない」という”考え”が出てきて、心臓や脈拍などが早くなり(なった感じがする)、”不安”が強くなるというものです。
また、『広場恐怖』という症状も重なることも多く、「逃げ場がない状況を恐れる」というものもあります。
パニック症の認知行動療法
パニック症の認知行動療法では、以下のような図を利用して(ケースフォーミュレーション)症状の発生や維持のメカニズムを振り返っていきます。
この中で[最悪の結末の予想]というのは自分にとってどんなものなのか。
[身体感覚]としてはどのようなものを自覚しているのか。そして、それらによって増大した不安を自分なりに意識・無意識に対処している[回避行動(安全確保行動)]というものを見つけていきます。
[回避行動(安全確保行動)]で多いものが、”手首などで脈拍を測ること”、”スマートウォッチで自身の状態を確認する”などが見られます。
それにより、パニックの予防になっているようにも思われますが、常に身体感覚に注意が向きすぎていて不安を増大させたり、[最悪の結末の予想]を考えやすい環境を作ってしまっています。
沖縄県でのパニック症の特徴
パニック症の事例としては、「電車に乗れない」「バスに乗れない」などが多く聞かれます。しかしながら、沖縄は電車がありません(モノレールはありますが…)。バスはありますが、利用率もそれほどとても高いわけではないと思います。
沖縄県民の一番の交通手段は”車”です。多忙やストレスなどで運転中に体調不良になり、急遽停止した。その時は何とか自宅に帰れたが、その後、「車に乗るたびに不安になる…」「車に乗るのが怖い…」「またあのときのようなことが起こったらどうしよう」などがよく見受けられるケースです。
沖縄県民で普段運転していた人が運転ができなくなると、日常生活に大きな影響を及ぼし、活動範囲もかなり制限されることから”引きこもり”や他のメンタルの問題とも合併が起きかねない恐ろしい精神疾患とも言えます。
こんな怖い精神疾患でもパニック症のことをしっかり理解して、サポートしてくれる体制や適切な対処ができれば、問題解決は不可能では有りません。
リワーク&カウンセリングステーション ココロおき楽でのパニック症の対応
ご本人の同意を経て医療機関とも連携を図り、主治医との情報共有も積極的に行います。
また、症状や状態に応じて、【訪問】での対応も可能となっているのが私たちの事業所の『強み』でもあります。
ご本人の希望を尊重した上で、私たちは『パニック症になってできなくなったこと』を『もう一度できるようになる』ための関わりを行い、就労や生活の安定に向けてお手伝いをしていきます。
少しでも興味を持ってくださった方は、お気軽にお問い合わせをいただけると幸いです。