こんにちは。
沖縄県那覇市首里久場川町にある『リワーク&カウンセリングステーション ココロおき楽』の脇です。
当事業所は、沖縄県でも数少ない民間リワークの事業所です。
私たちの事業所では、看護師が常駐しながら利用者の心と体の健康のサポートを行っております。
当事業所の特徴として、『認知行動療法』を専門に取り扱っている点です。
認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy;CBT)とは
伝統的な認知行動療法では、『歪んだ認知』や『自動思考』などの専門用語が使われて、それらの修正や変容に取り組んできました。
しかしながら、近年の認知行動療法では、『自動思考』もその人のアイデンティティに一種であること、それらが抑うつ気分(強い落ち込みの気持ち)と強い関連があるわけではないということが言われるようになりました。
また、『歪んだ』という言葉もかなり非人道的で、人それぞれの思考について『歪んだ』と表現するのは不適切であり、そういった表現も近年はされておりません。
そのため、ネガティブな体験に出遭って、ネガティブな考えになることは必ずしも『悪』なわけではなく、ネガティブな体験に出遭っても『適応的な認知』(私は「自分に都合の良い考え方」と言っています)を持てるようになることが大切です。
認知療法と行動療法
認知行動療法は元々、認知療法と行動療法として全く別のものであったものを組み合わされて、現在に至っています。そのため、日本でも認知行動療法学会は2つあり、認知療法系列の認知行動療法学会と行動療法系列の認知行動療法学会があります。
どちらが優れているというわけではありませんが、2つの療法を知り専門家と一緒に取り組むことでより効果が得られると思います。
認知療法の例
憂鬱な気持ちが見られる時に、認知療法で最も使われるものは
『コラム表』というものです。
認知行動療法といえば、コレ!みたいに思っている方も多くいらっしゃるかもしれません。
コラム表の使い方としては、『その時の状況』を書き、『最初に浮かんだ考え(自動思考)』と『気分(気持ち)とその点数』を記載して、『どうしてそのように考えたか』などを記載していきます。
ここで最も大事で、最も難しい『反証』が先程お話した『適応的な認知』に繋がるものです。自動思考とは違ったバリエーションの”考え”を出します。
私はよくこの反証については「自分に都合の良い、しっくりする考えでいいと」お伝えしています。
なんでもいいのです。どうせ答えなんてないのですから・・・
行動療法の例
憂鬱な気持ちが見られる時に、最も行動療法で最も使われるものは
『活動記録表』と思います。(私はよく使います)
活動記録表の使い方としては、まずは自分の活動内容とそれに付随する感情を記録していきます。
『”活動ー気分”は、セットである』という考えをベースに、自分が健康であった時や元気だった時の活動を思い出して、過去を振り返って、取り敢えず15分でもいいから取り組んでもらうように提案します。
また1週間記録してもらい、自分の行動パターンを振り返ってみることで、いつも同じ行動パターンをとってしまっていないか、何となく望ましくない時間帯に昼寝をしていないか、頼まれたことを断れず嫌々取り組んでしまいその後に何もせずに落ち込んでいないか・・・・などを自分の行動・活動と気分を振り返って、必要に応じてSSTや活動のテーマを提案して日常に変化を加えていきます。
認知行動療法と薬物療法
厚生労働省からも、うつ症状の対処については薬物療法と認知行動療法の併用が提案されています。
認知行動療法では、”自分が何故ココロが疲れてしまったのか”、”自分に必要な対処スキルは何か”、”ココロの問題とは何か”ということを振り返り、しんどくなる前よりも”ある意味強く”なって回復を目指すものです。
そのため、薬物療法単体での治療よりも再発率が低くなることが研究上示されたため、認知行動療法が推奨されています。
今まで薬物療法を中心に治療されてきた方も、一度認知行動療法に取り組んでみることをお勧めしたいです。
認知行動療法の誤解
認知行動療法は難しいものではなく、座学で真剣に取り組みすぎるものでもありません。ストレスを感じた出来事が遭ったからといって、机に向かってコラム表に取り組む!みたいなことはナンセンスです。
私はコラム表を取り組むときでも、ユーモアを入れてみたり、上手に人のせいにしてみたり、今までやったことがない考え方を一緒に笑い話を取り入れながら取り組んだりしています。
勉強ではなく、一つの”スキル”と考えています。
私たちのリワーク施設では、個別カウンセリングと集団グループワークの中でのいずれも認知行動療法を積極的に取り入れています。
是非少しでも興味を持っていただけた方はぜひ一度お問い合わせください。